世界文化遺産 岩見銀山     
 
  今年は11月に入っても暖かい日が続いたにも関わらず、例年より早い24日に冬眠を強いられ納戸の暗い片隅に入れられました。
私のご主人様「無知の旅人」が11月末に岩見銀山を訪れた為です。
相変わらず身勝手ですね!
その為か、銀山では11月だというのに、雨と雪、霰に遭遇し写真を撮るどころではなかったようです。 
   
    一昨年佐渡の金山を訪ねたので、世界遺産になった銀山もと出かけてみた。世界遺産に含まれるのは銀鉱山と大森町に加え銀を積み出した港と港街の温泉津が含まれる。我々はまず温泉津からスタートした。    
       
   温泉津(ゆのつ)    
 日本海に面した谷あいにひっそりと遺された小さな温泉街で、車がやっとすれ違えるような狭い道路の両側に、大正期から戦前にかけての温泉旅館が十数軒建ち並ぶ。ここは、温泉街では唯一の国が選定する重要伝統的建造物群だそうだ。レトロな温泉町の雰囲気と、その朝港で取れた大きな越前ガニが、我々の期待を十分以上に満たしてくれた。    
 
   タヌキの湯
 伝説によると、1300年ほど前、一匹の古狸が温泉でキズを癒しているのを見て、「これは薬湯にちがいない」と思い、湯船をつくって入湯するようになったのが温泉津温泉の始まりだ、と伝えられているその為か町のいたるところにタヌキの置物や絵がある。町を走る市営のバスもタヌキであった。
   
   温泉津は16世紀から17世紀にかけて銀の輸出や、銀山で使われる物資補給のために賑わった「シルバーラッシュ」のブームタウンだそうだが、その面影は今はない。、温泉街の中ほどにある江戸時代に建てられた威厳のある西楽寺に過去の繁栄を偲ぶことができた。この他にも古い寺社が多く存在するらしい。
元湯、藤乃湯(震湯)の二つの温泉がほぼ向かい合わせにあり、この温泉を中心に10数軒の旅館が集まり、ひなびた旅館街が形づくられている。藤乃湯は、明治5年の浜田沖地震後に湧き出たので「震湯」と呼ばれている。元湯が古くからの温泉で、近くに薬師堂があるので両者とも「薬師湯」と称している。この二つの湯には外湯があり、他の旅館からも入りに来る、日帰り客も楽しめる。特に藤乃湯の旧館はカフェとギャラリーになっていて、レトロな雰囲気が人気だそうだ。
   
 
         
   温泉街の朝    温泉街の夜   
         
  元湯   藤乃湯(震湯)  
         
  元湯・・「薬師湯」「千古乃温泉」も右書き
入り口の唐破風の上にタヌキの彫刻
  藤乃湯(震湯) 施設の真後ろに地震でできた
地下2〜3mから自然湧出する源泉がある
 
   
 
         
   「旅の想い出に温泉津焼をどうぞ」
と書かれた陶器店の中にも大きなタヌキ
  市営のマイクロバスもタヌキ・・温泉津駅前  
   
       
   焼き物の里・・旅館の主人が帰りに案内してくれた    
   岩見地方では瓦や水瓶に適した粘土の恩恵を受け、窯業が発達した。堅くて丈夫で水漏れがない広州瓦、や温泉津焼きの壺として、全国に出荷された。    
 
         
  巨大な登り窯2基が目を引く
温泉津やきものの里 
  江戸時代中期に築窯された登り窯を復元。
全国でも最大級の15段
 
 
   
       
   岩見銀山    
   石見銀山は江戸時代にその使命を終えた鉱山で、その衰退と共に遺跡が、周囲の自然に溶け込みながら残っている。土地の人達はこの自然との共生を大切に守っている。従って、象徴的な観光スポットは少なく、一般の観光地のような俗化をかたくなに拒否しているように見える。    
       
   龍源寺間歩への道    
   大森バス停で降り観光案内所で音声ガイドを借りた。これは便利で退屈せずに散策できた。さてここから龍源寺間歩まで2.3キロの上り坂が続く。若い人達の多くはここでレンタサイクルを借りるようだ。    
 
         
  西本寺ここの山門は
大森町に現存する最古の建築物
 
  極楽寺境内に身代わり地蔵のお堂がある
こからは何もない山あいの道が続く 
 
         
  自転車を降り紅葉を撮る観光客    途中で雪が降ってきた   
   
   
龍源寺間歩
   
       
   岩見銀山には大小あわせて600ちかい間部(まぶ、坑道)があるが一般公開されているのはこの龍源寺間部だけで、それも坑道の入り口から600m強続いている平らな坑道のうち、156mだけです。そこから出口まで新しく掘った観光用の坑道があり、そこに江戸時代後期に描かれた「岩見銀山絵巻」(島根県指定文化財)15枚の電照版が展示されている。    
   
         
   龍源寺間歩入り口    龍源寺間歩入り口 受付   
         
  坑道の高さ1.6〜2.1m、巾1〜1.5m
ノミで掘った後が当時のまま残る
  鉱脈に沿って掘り進んだ横穴
 人がやっと通れるような狭さである
 
         
  岩見銀山絵巻    岩見銀山絵巻   
         
  清水寺    新切間歩    
   
       
    旧街道沿いの古い町並み・・重要伝統的建造物群保存地区    
  かっては武家屋敷は町屋が軒を連ね、たくさんの人で賑わった街並みは、周囲の自然に溶け込み昔の風情を今に伝えている。    
   
         
  大森の町並み     大森の町並み   
         
  町並にあわせて木枠をつけた自動販売機    大森の町並み    
         
  大森の町並み     大森の町並み    
   
       
   世界遺産を守る人たちのこころ暖まる親切    
   古きよき時代の片鱗は街並みばかりではなかった。ふれあう人達は皆親切で暖かいこころの持ち主だった。温泉津の駅まで送り迎えしてくれた旅館の主人、太田駅の観光案内所のおばさん、銀山までのバスの運転手、大森バス停近くの観光案内所のおじさん、龍源寺間歩への道の途中の鄙びた茶店の若いお婆さんへと俗化してない世界遺産の町に相応しい「親切心」もリレーされて、悪天候の気鬱さを取り払ってくれた。    
       
   松江城    
   
         
  紅葉の松江城    天守閣より宍道湖を望む   
         
  地下に保存されている破風    地下の塩蔵にも古い建築材が   
         
  武者窓 大きな石でも落とすのかな     紅葉の松江城  
         
  城の中は歴女が一杯    歴女のお帰り
何処にいるかわかりますか?
 
 
         
  観光ツアーの年配者は
こたつを備えた遊覧船で「堀川めぐり」 
  武家屋敷の前を渡る
「堀川めぐり」の遊覧船