辺境のアルバム  
     
   精河周辺の景色と アラサンコウ峠への道  
   
石油の街カラマイから217号線を南下し、ウスの近くで再び国道312号線に戻り、綿とクコの産地としてで有名な精河に向かう。翌日一般道を北上してウィグル西北の端にある北疆鉄道が横切る国境阿拉山口国岸を訪ねた。 
右の地図で赤丸は精河
黒丸は国境の町阿拉山口国岸
青丸は今回の旅の目的地サイリム湖 
 
 
     
   ウィグルの鉄道事情  
     
   新彊ウイグル自治区を走る鉄道には蘭新、南彊、北彊の3線がある。
 甘粛省蘭州市からウルムチまで延びる2000km蘭新鉄道は、中国の東部と西部をつなぐ幹線鉄道で1962年に開通している。それが伸びて1990年にカザフスタンとの国境の町アラ峠までが北疆鉄道として開通、カザフスタンの鉄道と連結することで現代の鉄道版シルクロードが完成した。一方、トルファンから天山南路を辿りコラルに至るのが南彊鉄道で、1999年に、カシュガルまで伸び、ウィグル自治区最西端までの鉄道が完成した。この鉄道のお陰で、多くの人たちが西の辺境の地域に移動することが可能になった。カシュガルはNHKの「関口知宏の中国鉄道大紀行」の終着駅になったので、皆様もご存知だと思います。
2004年から建設が始まっている精伊霍鉄道(精河(チンホー)伊寧(イーニン)霍城(フォチョン))は32か所のトンネル工事も終了し、今年2008年末までには貫通できる予定。精伊霍鉄道はカザフスタンとの国境コルゴスまでのびて全長300km。新彊ウイグル自治区初の電化鉄道である。
この鉄道はヨーロッパと繋がる大動脈に成長するであろう。
 
  中国最長の国道312号線 
   
   
   上海からカザフスタン国境近くのコルゴス峠まで4820kmを結ぶ中国最長の国道312号線精河近くでは両側に灌漑された農地が広がる 
   
   
   312号線沿いの綿花畑は収穫の真っ最中
   
   
   精河クコ(枸杞)の産地である。クコを干している市場の片隅で女性たちが不良品をえり分けていた。ここから全国に出荷される。
   
     
 精河の郊外向かう道の両側には整理さた耕作地が広がっている     予定していた道は、市場が開かれ、通行止めだった。その先も道が通れないと言うので大きく迂回することになった
  工事中のでこぼこした道を北上するにつれ、灌漑工事でできた田園風景は殺風景な砂漠の景色へと変わってきた。その境界では今も砂漠の緑化事業が進んでいる。  
 
   
 
  アラサンコウ峠の国境
 
   
 鉄道が横切るアラサンコウ国境への道はアラ山系からエビノール湖に吹き降ろす強風で木も草も生えない不毛の大地だった。  国境の建物も強風にさらされていた。右下方にカザフスタンの町がかすかに見える。
 
 
   
 
  国境の町阿拉山口は観光客もおらずひっそりしていた。みやげ物屋にはロシヤのおもちゃが並んでいた。 
 
   
 
  サイリム湖に向かう途中、カザフ族の古い町博楽(ボーロ)で一休み。 
   


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