御府内八十八札所巡り-2   
     
 
    札所巡りを終えた無知の旅人は、撮ってきた写真から江戸の庶民信仰を引き出そうとしたのですが、知識がなく無理でした。
相変わらず無知ですね!!
困ったときは、お地蔵さんにお願いする。江戸庶民のこの知恵は会得したようです
   「御府内88札所巡りー1」はカメちゃん日記続編3をご覧ください
 
     
    札所で出会ったお地蔵さん  
 
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江戸を舞台にした読み物では、お稲荷さん、お地蔵さん、と観音様は日々の信仰の対象として景色の中に頻繁に出てくる。御府内の札所を巡っているとその名残によく出会う。まず目に付くのは下町のお稲荷さんだ。「伊勢屋。稲荷に犬の糞」と云われるほどに江戸の町に敷衍していたようだ。次は地蔵で札所に限らず多くの寺に地蔵があった。
 
   
     
 江戸六地蔵の第四番は
御府内88第33番札所・真性寺にある
    お婆さんの原宿、巣鴨の
とげ抜き地蔵境内にある洗い観音
 
   第33番札所真性寺は 巣鴨にある。巣鴨と云えば、いまでは「とげ抜き地蔵」が有名で。駅からの商店街は「ばあちゃんの原宿」と呼ばれ、ばあちゃん達で賑わっていた。とげ抜き地蔵は明治にはいってからこちらに移って来たので、江戸時代巣鴨の地蔵といえば真性寺の地蔵であった。  
     
  札所のお地蔵さん  
     
 
     
多くの仏像を従えた6地蔵
御府内88第58番・光徳院
 
  可愛いエプロンをした6地蔵
御府内88第48番札所・禪定院 
  
     
一言地蔵
御府内88第87番札所・護国寺
   
   しばられ地蔵
御府内88第79番札所・専教院から
茗荷谷の駅に向かう途中にある
  
     
お願い地蔵
 
御府内88第71番札所・新井薬師梅照院 
    お願い地蔵の前に
ミニお願い地蔵が供えられている
 
   
地蔵菩薩の横に可愛い童子が
御府内88第71札所・新井薬師梅照院 
  第77番札所・仏乗院門前の
道を隔てた左側に安置 
 
   次の写真、左は地蔵ではなく13仏(初七日から33回忌までを司る13の仏様)の石仏で、普通は座像の大日如来も弥勒菩薩も立像なのが珍しいらしい。我々が訪れたとき寺の前を通りかかった一人の熟女が、門内に入り13仏を拝し立ち去った。江戸時代から引き継がれている庶民の信仰心を見た思いであった。
右の写真は、中谷寺町の風情を伝える観音寺の築地塀、瓦と土を交互に積み重ねた土塀に屋根瓦を葺いたもので、200年前の町の面影を伝えている。1992年台東区の「まちかど賞」を受賞した。
 
 
   
  第一四番札所福蔵院の13仏
にお参りする近所の住民
 
  寺町の風情を今に伝える
第42番札所・観音寺の築地塀
 
   六地蔵
18世紀初頭の宝永年間、江戸深川の地蔵坊正元が発願、江戸市中から広く寄進者を集め、六街道の出入り口の6っのお寺に2.7Mの立派な銅造地蔵座像を安置した。その一つが巣鴨の真性寺にあった。当時巣鴨は中山道の入り口だったのだ。大きな傘をかぶり、杖をもつお地蔵様が旅の安全を見守ってくれると信じられていたのだろう。その他の六地蔵は、東海道沿いの品川寺(第一番)、奥州街道沿いの東禪寺(第二番)、甲州街道沿いの太宗寺(第三番)、水戸街道沿いの霊厳寺(第5番)にある。第六番は千葉街道沿いの永代寺にあったが明治の廃物希釈の運動で廃寺になり地蔵も消滅した。
 無知の旅人には「村のはずれのお地蔵さんは、いつもにこにこみてござる・・・」の童謡の想い出がつよく、同じ目線で立っている可愛いお地蔵さんの方が好きだ。それはともかく六地蔵巡りは七福神巡りと共に、信仰ばかりでなく、江戸の庶民にとり、日帰りツアーのような行楽の楽しみも持つようになったのだろう。
 
 
     
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