イスラエルの旅-続き1
 
   イスラエルは水が生命  
     
   Y 砂漠のキブツを支える水の源を辿る  
    エイラットからネゲブ砂漠に入る。近くに迫っていた岩山が遠くなった他は、道路から見る景色は相変わらず荒涼としていてあまり変らない。ベドウィンの部落やナツメヤシの畑などに囲まれた入植地のキブツ(生活共同体)が時おり姿をみせる。この緑のキブツを支えている水は遠くガリレア湖から引いているのだそうだ。荒れ果てた荒野に灌漑し緑に変える努力はイスラエル建国以来強力に推進されている。
 イスラエルは水の有効利用と灌漑に特に力を入れているようだ、問題のガザ地区も水と電気はイスラエルに頼っているそうだが、その辺の事情は日本ではあまり知られていない。 
 
   
イスラエルを南北に縦断した旅は、はからずもこの水の源を辿ることになった。ハーモン山(ヘルモン山)がスポンジのような役割をして、その麓に豊富で安定した湧水を生じ、それが全長322kmのパレスチナ最大の河川ヨルダン川を作り出している。   
 
   標高2814mのハーモン山(ヘルモン山)の雪は、地下をとおり麓に泉をつくり湧き出てくる。最大の泉がバニアス洞窟の入り口にある湧水でこれがヨルダン川の源流となる。
ハーモンの流れはいくつかの滝をつくりながらエメクフラ低地に下る。ゴラン高原にはその他にも泉がありそれらも加わりヨルダン川となって聖書の故郷ガリレア湖(ティベリアス湖)を経て海面下400mの死海に注いでいる
 
   
 
   バニアス洞窟の入り口にある湧水(Banias Spring)  
   
 
  ガリレア湖から死海にいたる下ヨルダン川の両岸に豊かな田園地帯を生み出している。上ヨルダン川の川幅は片瀬川程度で、下ヨルダン川はさらに細かったのが意外だった 上ヨルダン川とガリレア湖の水は灌漑用水となりイスラエルの荒野に緑の生命を与えようとしている 
  上ヨルダン川
 
                    
   
   
  聖書の故郷ガリレア湖 
 
     
   
  下ヨルダン川の両岸は田園風景が広がるが今はこの川が国境で右がヨルダン、左のヨルダン川西域をイスラエルが統治している   
 下ヨルダン川  
 
                          
   
   
 死海  ネゲブ砂漠にあるキブツ・スデ・ボルゲ
 
 
 このキブツ・スデ・ボルゲにはイスラエル建国の父ベングリオンの住まいが記念館として保存されている   
 
    死海の水位は年々下がっている。イスラエルでは地中海の水を引き込み、400mの落差を利用した発電を兼ねながら、死海の水位維持を図ろうとしているが、対岸のヨルダンの同意がとれていない  
 
追記・・イスラエルは安全な所だった!
 
   イスラエルに行くことを友人たちに告げると「そんなところに行って大丈夫なのか?」と決った様に同じ質問をしてくる。私自身誘われたとき同じ質問をした。これが日本人の一般的な見方なのかもしれない。
ある友人たちは慰めるように言ってくれた。「今パレスチナ過激派のパレスが政権をとったばかりで、世界中が注目しているからテロはないよ!」或は「学生運動華やかの頃、東大の安田講堂の騒ぎをテレビで見た米国の友人が心配して電話をしてきた。それに似たところもあるのだろう」などなど・
実際の旅ではイスラエルの事情に詳しい松尾リーダーのお陰で危険を感じるようなことはなく、日本での心配は何だったのだろうと思ってしまう。
日本の報道はイスラエル全土が危険だと誤解させる。もっと正しい報道をするべきであろう。
危険がないわけではない。予定していたエリコ訪問はその筋からの注意勧告が出て、今回はやむなくスキップした。キリスト誕生の地ベツレヘムの訪問も、アラブ人のバスに乗り換えないと石を投げられる場合もあるらしく、無理をしないことにした。イスラエルの旅にはこのような柔軟な対応が要請されているようだ。問題のところを避ければ観光客が訪れる所は、欧米の先進国を旅しているのと少しも変らない。ここに来て巡礼や観光の外国人が増えているそうだが、イスラエル旅行を企画している日本の旅行社はほとんどないが、もう少し積極的に取り組んでもよいのではないか思う。
また、出国検査の厳しさが良く話題になるが、航空機のテロ対策なので、われわれのためにしっかり検査をしてくれると思えば気にならない、ちなみに私は入出国ともトランクを開けて調べられることがなく]線検査だけであった。
 
   以上  
     
     
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